2007/02/05 エムエムとクロエ

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「クロエのお家は遠いの?」 エムエムを家に送り届けるために、あまり通ったことの無い道を行く。 僕の住所と同じ市内、さらには同じ町内だが、こっちの方は何かの店がある訳でも無く完璧に住宅街だし、知り合いが住んでいるという訳でも無いので、来ることは殆ど無い。 というか今が初めてだ。 そんな初体験の場所を、エムエムの手を引きながら歩いている。 エムエムは僕を見上げたり、辺りを見回したりしながら、あっちの方かな、それともあっちかな、と落ち着かない様子だ。 最初は野放しにしていたのだが、余りにも落ち着きが無く、走り回ったり道路に飛び出したりするので、仕方なく手を繋いで歩くことにした。 飽くまで仕方なくである。 エムエムの手はぷくぷくのすべすべだった。 「僕の家は反対方向だよ」 教えてやるとエムエムは、あっちの方向だねと指を差して「私は何でも知ってます」みたいな顔をした。 本当は大分方角がずれていたけど、大正解だとおだてておいた。 エムエムが嬉しそうにしているので良しとする。
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