2007/02/05 エムエムとクロエ

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「お昼ご飯は何かなー。カレーかなー。カレー食べたいなー。でも昨日もカレーだったし、今日もカレーかもしれない」 家が近づいて来たのだろうか、エムエムは段々とテンションが上がっている。 あとたぶんお腹が減ってきている。 さっきドーナツ食べさせたのに。 二個も食べさせたのに。 それにしてもこの辺りは、良い家が立ち並んでいる。 基本、庭付き一戸建て。 立派な門が構えてるし、二階のテラスは休日にバーベキューでもやりそうな勢いだ。 何こいつ金持ち? 金持ちなの? ドーナツ代返せ。 「あそこがお家だよー」 エムエムが指で示す先には、やはり立派な門とバーベキュー用のテラスを備えた大きな家だった。 緑も多い。 「いいとこ住んでるのな」 「えへへ、パパお金持ちだから」 この笑顔からは微塵も嫌みなど感じないのに、それでも厭味に聞こえるのは、僕の心が荒んでいるからだろうか。 貧乏が憎い。 繋いでいた手を解いてやると、エムエムは家の前まで小走りで駆けて行き、呼び鈴を押した。 僕はその後ろ姿に声を掛ける。 「バーベキューの時は呼んでくれ」 「うん、わかった」 振り返り、エムエムが答える。 冗談のつもりだったのに、自然に返された。 やっぱりやってるのかよバーベキュー。
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