2007/02/05 エムエムとクロエ

8/11
前へ
/481ページ
次へ
「今度はクロエのお家にも連れていってね」 ほほう、家へ来るとな。 これは知り合いに「一人暮らしの家に女の子を招いた」と自慢できるだろうか。 年齢がばれた時点で通報されるだろうからやめておこう。了解とだけ答えておく。 そんなやり取りをしている内に、玄関の扉が開き、中から僕とそう変わらないであろう年頃の男が出てきた。 無精髭と目付きの悪さのせいで多少老けて見えるが、漂う雰囲気はまだ若々しかった。 「パパ!」 エムエムがぱっと目を輝かせる。 この人が父親か。 平日の昼間に家にいるのに父親が出来ているなんて、一体どんな仕事をしているのだろう。 平日の昼間からドーナツ買いに行く僕が言えた義理ではないが。
/481ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3045人が本棚に入れています
本棚に追加