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ポカポカ温かい日。
―その日が彼等と彼女の出会いだった。
―ガシャァン!
「ひっ…」
時間は真っ昼間。
一軒の甘味処から器が割れる音が響いた。
店員の若い女の人は軽く悲鳴を上げ顔を真っ青にしている。
「てめぇ…武士に茶ぁぶっかけるなんてやってくれんなあ!」
「すんまへん!すんまへん!ホンマにすんまへん!」
女は土下座して謝る。
しかし、男は顔を真っ赤にさせたままだ。
「謝って済む問題じゃあ無いんだよ!この着物一級品だったんだぞ?!」
「すんまへん!!後生ですから許してくれやす!」
「チッ…謝ってすまねぇんだよ!『なぁ』…あ゙?」
怒鳴り散らす男を遮り、男とも女とも取れる風貌の少年?が声をかけた。
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