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「わ……! ご、ごめんね! 大丈夫!?」
慌てて駆け寄ってくる女の子。
しかし、ランスを構える男と対峙しているような状況だからか、後ずさる様に地面に仰向けで倒れる俺の隣にやってきた。
「その、尻尾は……触られるとむず痒い感覚がしちゃって、つい。ごめんね。痛かった?」
「……いや、こっちこそ。色々なことがありすぎて、ちょっと正気失ってたみたいだから、おかげで目が覚めたよ」
「そ、そう?」とそれでも心配なのかちらちらと横目で視線を飛ばしてくる。
安心させるために「大丈夫」とへらっと笑った顔を見せてやろうと、顔を上げたのだが――俺は絶句し、目を瞠る事になる。
「……可愛い」
そう。可愛いのだ。
ぱっちりとした目。ほんのり青みがかった猫目だ。
小顔で、口も程よく小さく可愛らしい。
所々跳ねが目立ち、雑に整えられた短髪もポイントが高い。不潔さを感じさせず、むしろスポーツ少女を思わせる爽やかさがある。
さりとて、その肌は日に焼けているわけではなく、陶磁器のような白だ。
室内スポーツ系美少女と言ったところか。
「えっ? そ、そうかな。あ、ありがとう」
照れてる様子もまた良い。
こう、現代女子高生が失ってしまった奥ゆかしさというものが、何とも言えない。良くは知らないが。
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