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永倉はさんざん走って珠里から逃げきる事が出来たのであったが、次のターゲットになったのは。
「は・ら・だ・さ~ん♪」
ウキウキしながら走ってくる珠里に、こちらも遊んで逃げる原田。
「珠里ちゃんにはつかまんねぇ
ぜぇ~!」
(副長じゃあるめぇしなぁ)
笑いながら逃げる原田はなんとも楽しそうであったが、珠里は変な笑みを浮かべていた。
「ふふふふ。原田さぁん。
これなぁんだ?」
「ん?」
なんだろうと振り替える。そこには―――……
「春画ッ!!!??」
原田は目の色を変えた、そして段々とスピードが落ちてゆくのがわかり、珠里はニヤニヤと笑っていた。
「ふふふふ」
(原田さんはスケベだから春画で釣れば…)
春画が相当気になるのか段々とスピードが落ちる。まんまと罠に掛かる原田。
のはずだったのだが……
「さのすけぇ―――!!!」
「は!!」
永倉の声で我に帰った原田はスピードを戻した。珠里は唖然としていた。
「あぶね!あぶね!珠里ちゃん
の罠にはまっちまうところだ
ったぜ!!」
と少し笑いながら逃げる原田に珠里は。
「チッ」
原田のおかげで不機嫌な大魔王様なっていた。
春画を握りしめて庭へ投げて原田を追いかけた。
「原田さ・の・す・けぇ!!」
その場には春画だけが悲しく残っていた。
ヒュー
パシッ
「お!ラッキー♪」
春画を拾ったのは縁側の下に隠れていた永倉だった。
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