悪魔と呼ばれる存在

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―飽食横丁― 学園東部にある飲食店街の名称である。 印象としては香港の庶民的な繁華街だろうか? 全体的に雑多で、あらゆる飲食店が所狭しと建ち並び、屋台も常に場所取り合戦を行っている。 特筆すべきは出される料理の量。 一人前頼むと、普通の店の二人前近い量が、とてもリーズナブルな値段で提供される。 ただし、味に関してはあまり保証出来ないが…。 その為、常に一般学生で賑わっていた。 その飽食横丁の一角に存在する、魔王の食卓。 和洋折衷様々な料理を提供する人気店である。 追記― 店舗が狭いのがたまに傷… その魔王の食卓の数少ないボックス席に神威と君武はいた。 あの後、結局始業式には間に合わず、君武が学園案内を買って出たのがきっかけで二人は意気投合し、神威がそのお礼に夕食を奢ると言うと案内されたのがここだった。 「今日はまだ四分の一程度しか回れてないからな…また改めて案内してやるよ」 君武は山盛りのスタミナ定食をパクつきながら、向かいに座る神威を見る。 「サァンキュ♪しっかしさぁ…」 チキンカツ定食をつつきながら神威は言い渋る。 こちらもかなりの大きさである。 「あん?」 君武はライスを掻き込む手を止めて神威を見る。 それを見て、少し躊躇いながら箸を置き口を開いた。 「昼間の御子神って男…一体何者なんだ?ぶっちゃけ、出来れば二度と会いたくないんだけど…」 溜め息なんぞ吐きつつ神威は君武を見る。 「んー…詳しく話すと長いなぁ…。簡単に一言で片付けちまうと元親友…かな?」
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