~かくも懐かしきあの頃~―君武―

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風紀公安委員会… 名前だけ聞けば、どこのガッコーにもありそうな委員会だが、中身はまるで違う。 この学園の…いや、この島の警察組織だ。 警察の方がましだ…と言う噂まである。 「おぃ!やべぇよ!!早く逃げようぜ!!」 途端にいろめきだつ不良達。 こいつらも噂を信じてるクチか? 「てめぇ、今度会った時は覚えてろよ?」 言って逃げ出す3年達。 「あんまり物覚え良くないんで、覚えてないと思いますよぉ」 手を振って後ろ姿を見送るファニーフェイス。 「ホントは電話なんかしてないんだけどね」 悪戯をした後のような笑顔で舌を出す。 こいつ… かなり度胸が座ってやがんな… 少しも怯えてねぇ… 俺はゆっくりと戸口に立ち… 「やんじゃねぇか」 ニヤリと笑って腕を組む。 「あちゃあ…まだ残ってた…」 溜め息をついてファニーフェイスは俺を見る。 「それ以上近寄らないでね?」 絡まれていた生徒Aを後ろ手に逃げるように促す。 うん。まだ危険があるなら先ずは逃がしてやらねーとな… …危険? 一体何が? 俺はそこでようやく、さっきの連中の仲間と間違われていることに気付く。 「おい!」 先程の言葉を無視し、俺はファニーフェイスに近づく。 「近寄るなって言ったよ?」 次の瞬間、ファニーフェイスの左腕が霞む。 しなるような裏拳が俺の顎先目掛け繰り出される。
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