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その聞き方に顔をしかめつつもやはりそこが一番気になるのか、女子もその会話に耳を傾ける。
「いや、まだ来て無いらしくて、実際に見たわけじゃないんだ。」
「ちぇ!なんだよ。詰まんねぇな。」
「まあ、“後のお楽しみ”としようぜ。」
(名前だけなら聞いたんだけどな…)
と別の生徒が宥めているのを横目に、空気と化した男子生徒は思う。
(えっと~確か………。)
「神威 翔覇(カムイ ショウハ)です。」
丁寧に頭を下げて翔覇が宮塚に挨拶する。
「やあ、君が転校生の神威君だね。私が担任の宮塚だよ。」
宮塚は、25歳という若さの先生で温厚な人だ。その性格と若さ、担当の社会の授業でのウケの良さから男女問わず慕われた先生だ。
「はじめまして。宜しくお願いします。」
「いやいや、君の様な礼儀正しい生徒なら歓迎するよ。」
と笑いながら話す。
「君の事は色々聞いているよ。まあ私のクラスは皆仲が良いから君も直ぐにとけこめると思うよ。」
「ありがとうございます。」
「うん。じゃあ、教室の方に行こうか。」
そう言って宮塚は神威を連れて2━4に向かった。
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