其ノ肆

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「あ……」 浅木さんは小さく漏らすと、僕を睨んだ。 「別に……言ってみただけよ」 分かってなかったのか。恐らくこういう所が、高瀬曰く「抜けてるなぁ」だろう。 浅木さんは掃除用具入れの前に膝をついて座った。そして、掃除用具入れの扉を開く。 「みつけた」 中には、箒やちり取りに囲まれている草野。僕は一瞬、草野も高瀬と同じ様になっていたらどうしよう、という恐ろしい予感がした。けれど、その予感はどうやら外れたらしい。肩に掛かっていた、変な力が抜けた。 良かった。無事だ。 「あー、もう見つかったよ。佑香早いってば」
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