59人が本棚に入れています
本棚に追加
/184ページ
「あ……」
浅木さんは小さく漏らすと、僕を睨んだ。
「別に……言ってみただけよ」
分かってなかったのか。恐らくこういう所が、高瀬曰く「抜けてるなぁ」だろう。
浅木さんは掃除用具入れの前に膝をついて座った。そして、掃除用具入れの扉を開く。
「みつけた」
中には、箒やちり取りに囲まれている草野。僕は一瞬、草野も高瀬と同じ様になっていたらどうしよう、という恐ろしい予感がした。けれど、その予感はどうやら外れたらしい。肩に掛かっていた、変な力が抜けた。
良かった。無事だ。
「あー、もう見つかったよ。佑香早いってば」
最初のコメントを投稿しよう!