東方短編集。

チョコと想いと切なさと

ある日の午後の博麗神社縁側。

座ってお茶を飲む少女が二人。

「この時期に起きてるなんて珍しいわね」

「今日は特別よ」

普段なら冬眠しているスキマ妖怪が、今この時期に起きている理由。

それは。

「これを渡したくて」

「･･･チョコ？」

「ええ。今日はバレンタインでしょ？」

「紫･･･」

差し出されたチョコを受け取る。

紫は、その間ずっと。

優しげな笑みを浮かべていた。