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「ねぇ、魔理沙」
「ん?」
「・・・・手・・・・繋いでて・・・?」
滅多に見せない、彼女の甘え。
熱があるから普段言わないような事を言っているのかもしれない。
魔理沙は霊夢の手を握ると、微笑んで。
「ずっと繋いでてやる。霊夢が起きるまでずっと、側にいてやる。だから、ゆっくり休んでくれ。な?」
「・・・ありがと、魔理沙・・・・・」
そのまま、霊夢は眠ってしまった。
そんな彼女の様子を見ながら、魔理沙は。
「・・・・・・・起きても、ずっと一緒だ。大好きだぜ、霊夢」
眠る霊夢に、そう呟いた。
熱で苦しげにしていた表情が、緩んだ気がした。
翌日。
「昨日はありがと、魔理沙」
「お礼なんていいぜ」
「ね、魔理沙」
「ん?」
魔理沙を真剣な目で見つめる。
そして、大きく深呼吸すると。
「・・・あのね、私、魔理沙の事が好き。ずっと前から・・・」
顔を赤らめるその様子は。
とても愛しくて。
気がつけば、そんな彼女を抱きしめていた。
「魔理沙・・・?」
「私も好きだぜ、霊夢」
「魔理沙・・・・」
強く、それでも優しく抱きしめる。
自分の側から、いなくならないように。
この温もりを、失わないように。
「ね、ずっと側にいてくれる?」
「約束するぜ。ずっとお前の側にいる。どんな時も、な」
「うん」
幸せ。
それが今の二人の気持ちを表す言葉だろう。
邪魔が出来ないだろう程に。
彼女達は幸せそうだった。
そして、これからも。
ずっとお互い側に居て。
幸せに過ごしていくのだろう。
今日も、幻想郷は平和だ。
そして。
そんな幻想郷が。
幸せそうな二人を見守っていた。
「魔理沙に霊夢、取られちゃったわね・・・」
「紫も霊夢狙ってたんだ」
「『も』って、アリスも?」
「ええ。あとは、レミリアや早苗も霊夢狙ってたわね」
「好かれるわねぇ、霊夢は。・・・でも、幸せそうね、あの二人」
「・・・そうね」
幸せそうな二人を悔しがりながらも温かく見守っていたスキマ妖怪と人形遣いだった。
「これはスクープですね。明日の一面記事は『博麗の巫女と魔法使いの熱愛発覚?』ですかね」
寄り添いあう二人の姿をカメラに収めて。
射命丸文は新聞を書くために山へと飛び去った。
fin.
単に看病ネタが書きたかった。
甘いレイマリが書きたかった。
最後の方はおまけ。
SSにしてはちょっと長いかな?
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