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幻想郷に春が来た。
博麗神社の桜も、綺麗に咲き出した頃。
1人の少女が縁側でお茶を啜りながら空を見上げていた。
「そろそろかなぁ・・・」
そう呟くのは、神社の巫女、博麗霊夢。
彼女は今、何やら物思いに耽りながら、待っていた。
ただ1人、思いを寄せている、その人を。
冬になってからずっと。
「・・・・・・」
気がつくと、うとうとしていた。
天気もいいし、このまま昼寝してもいいかもしれない。
霊夢は、目を閉じる。
そうして、意識がまどろんで来た時。
「・・・―――」
聞き慣れた、聞きたかった声を聞いた気がした。
どこか安心感を抱きながら、彼女は眠りの波へと身を任せた。
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