春の訪れ、彼女の起床

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どんなに。 どんなに寂しかっただろう。 本当なら、ずっとそばについていてあげたかったのに。 ずっと、横にいてあげたかったのに。 それなのに。 冬眠しなければいけない私は。 彼女の側にいる事は出来なくて。 彼女がどんなに私の事を想ってくれているか知っているのに。 どれだけ、側にいたいと。 側にいて欲しいと思っているのか、知っているのに。 それなのに、私は冬は側にいてあげられない。 それ故に、彼女に寂しい思いをさせてしまう。 彼女に、悲しい思いをさせてしまう。 いっそ。 冬眠なんてしなくていいのなら。 彼女をこんな風に泣かせなくてすむのだろうか。 泣き顔よりも、笑顔の方が霊夢には似合う。 けれど、泣かせているのは私。 悲しい思いを、寂しい思いをさせてしまっているのは私。 そんな私は。 どうやって霊夢にその罪を償えばいいのだろう。
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