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「・・・ずっと、寂しかった・・・だから、ずっと春が来て起きてくれるのを待ってた・・・・・・」
何とか落ち着いた後。
霊夢はまだ若干しゃくりあげながら、そう言う。
その身体は、未だに紫の腕の中だ。
「ごめんね、霊夢。寂しい思いをさせて、ごめんね・・・」
「ふぇ・・・っ・・・・紫のバカぁ・・・・・っ!!」
「・・・そうね・・・バカね、私は・・・。ずっと起きてれば、霊夢の側にいられるのにね・・・・」
言いながらも、霊夢は分かっていた。
確かにずっと起きてれば一緒にいられる。
でも、紫は冬眠しなければいけない。
どんなに我侭を言ったって、それは無意味で。
ただの、足あがきで。
どうにもならない事を、知っていた。
でも。
言わずにはいられなかった。
そうでないと、何かが壊れてしまいそうで。
怖かったから。
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