春の訪れ、彼女の起床

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とある日のアリス亭にて。 「貴方が来るなんて珍しいわね。まぁ、お茶でも出すから座って」 「ありがとう」 座って待っていると、上海人形がお茶を運んできた。 見てていつも思うが、すごいと思う。 「・・・ん、美味しい」 「それはどうも。で、今日は何か用事?」 「うん。あ、あのね、アリス」 何処か言いよどんでいる様子を見て、あれ?と思う。 彼女らしくもない。 そう感じたアリスは、先を促した。 「どうしたの?」 「・・・その・・・クッキーの作り方・・・教えて?」 「え?クッキー?別に構わないけど・・・いきなりどうしたの?」 「・・・もうすぐ、ホワイトデーでしょ・・・?」 「あー・・・・・」 霊夢が何をしたいのか、その一言で分かった。 ただ、彼女がそのクッキーを渡したい相手は、ホワイトデーに起きているのか。 いや、春だし、起きているかもしれないが。 確証は、ない。 「分かった。教えてあげる。でも・・・渡せるの?」 「・・・もし、渡せたら、ちゃんと渡したいから・・・だから・・・」 「そっか。うん、じゃあ教えてあげるからこっちいらっしゃい」 「ありがと、アリス」 そうして、少女二人は台所へと入っていった。 何やら楽しそうな雰囲気だった。 fin.
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