決別

10/11
前へ
/477ページ
次へ
僕は激しい痛みにより気を失いかけた。 しかし今は気を失っている場合ではない。 逃げなければ……! このまま僕が倒れてしまっては桜が暴力を受けてしまう。 下手したら……死ぬかもしれない。 僕はなんとか意識を保ち桜をゆっくりと抱き上げる。 「あなたなんか……! もう母親とは思わない!!」 僕がなんとか立ち上がり、母親の顔を見上げると、母親はフライパンを振り上げていた。 「ははっ、あんたたちなんて……消えればいいんだ!!」 母親はまたもやフライパンを振り下ろす。 僕はとっさに桜を、ぎゅっと抱きしめる。 そしてそのフライパンはまたもや頭に直撃する。 「……!!」 僕は少し足元がふらついてしまったが、すぐに立て直し思いっきり玄関へと駆け出す。
/477ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5742人が本棚に入れています
本棚に追加