決別

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「は~寒い……」 僕は両手を口の近くへと持って行き、はぁーと息を吹きかける。 僕の名前は神崎雪(かんざきせつ)。 僕は今、中学三年生。 そして季節は冬。しかも今日はクリスマスイヴ。 普通の中学生ならば、今頃受験勉強を必死にやっている所だろう。 しかし、僕は高校に行く気はない。 何故かって? それは僕の家は貧乏だからさ。 父親は、ギャンブル、ギャンブル、ギャンブル。 毎日遊びほうけてしまいには多額の借金を抱えてくる始末。 そんな父親は先月、お金がどうしても払えなくて、ヤクザに無理矢理保険金をかけられて海へ車ごとダーイブ。 僕は不思議と悲しいなんて感情は沸いて来なかった。 むしろ感謝したくらいだ。 それほど僕は父親のことが大嫌いだった。
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