自分の為?あなたの為?

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「うわぁ!!」 僕はかけられていた布団を思いっきり跳ね退け、ガバッと勢いよく起き上がる。 その額にはかなりの冷や汗、着ていたTシャツもかなり水分を含んでしまっている。 「はぁ、はぁ、夢?」 僕は息遣いも荒くしながら、さっきのが夢だったということをようやく認識した。 「ふー……」 僕は安堵のため息を吐きながら、ベットへと潜りこもうとする。 ちょっと待ってみようか。 僕って確か、母親から逃げて何処かのゴミ置場で気絶してたような? それなのに何で僕はこんな綺麗な部屋のベットで寝ているのだろう? しかも何かいいにおい……。 はっ!? 何を考えているんだ僕は!?これじゃまるで変態じゃないか!! 「うぅ~」 僕はさっき考えてしまった自分の変態思考に頭を抱えながら唸る。 そんな思考をめぐらせていると…… 「あ~!やっ~と起きたぁ!!」 不意に目の前から聞き慣れない、女の人の声が聞こえてきた。
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