自分の為?あなたの為?

5/54
前へ
/477ページ
次へ
「まあ、まず最初は自己紹介からかな。 私の名前は上原結衣。君の名前は?」 「えっと、僕は神崎雪です。」 僕は少し落ち着きを取り戻してきたからか、冷静に受け答えをすることが出来た。 「じゃあ雪君。 まずはあなたの状況を説明してあげる。」 本題へと入るようだ。 結衣さんは真剣な瞳で僕を見つめてくる。 「今あなたがいるここは私の家。私が倒れているあなたを見つけて桜ちゃんとここまで運んだの。」 「桜……?そうだ、桜は!?」 僕は桜の名前を聞いた瞬間、冷静さを失いベットから立ち上がる。 「落ち着いて、雪くん! 桜ちゃんは疲れて別の部屋で寝ているよ。」 僕はその言葉を聞き、安堵の息を漏らす。 そしてズルズルと壁に背中を摩擦させながらベットへと座り込む。 「じゃあ次はあなたが私の質問に答える番だね。 何であなたはあんな所で気絶してたの?」
/477ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5742人が本棚に入れています
本棚に追加