決別

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「母親に向かって何よその言い方!!」 母親は頭をくしゃくしゃと両手で掻きむしりながら、ヒステリックにさけびだす。 しかし、僕もさすがにもう我慢の限界だった。 この人とはもうやっていけない。 心底そう感じた。 「そーやって、いつもいつも都合のいい時だけ母親面して……もううんざりなんだよ!! あなたは今まで桜に娘として接してやったことがあるのか!?」 僕は叫んだ。今までないくらい僕は怒っていた。 すると今まで僕の胸に抱き着いていた桜が泣きながら母親に叫んだ。 「お母さん!、お兄ちゃ……グスッ、喧嘩っ……グスッしない……ヒック」 そこまで言うと桜はまた泣きじゃくってしまった。 「あんたまで私に口答えを……!」 母親は僕達に近づいてきて、僕に抱き着いている桜を無理矢理引きはがす。
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