第1集    魔法を使わない魔法使い

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この男だけでもこの殺風景な空間に似つかわしくないのに、もう一つ似つかわしくない物がある。否、より正確には、ーーー物は物でも人の屍である。 普通の人なら、この光景を見たら絶句してしまうだろう。 なんにせこの五体の死体達には特徴があり、皆太腿から下、首から上がなく骨が剥き出しになっているからだ。これを見て正常でいられる物がいればそれは、 異常愛好家かこういった物を見慣れた者である。この男は後者である。 全てこの男が一人でやったことである。もちろん、この男の周りは血の海である。だが、この男のスーツと靴には染み一つ付いて無い。可笑しいとは思わないか?               しかし彼は何もしていない。 そして、この男は四人を殺す時も男は何もしていない。そう魔法使いが使う魔法すらも使わず…… ただ一言言えるのはーー 彼の魔法名が『魔法を使わない魔法使い』ただそれだけのことだ。
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