壱 遭遇

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…………寒い。  とても寒い。それはもう、歯の根があわないほどに。  何故こんなに寒いのだろう?  辺りを見渡すけれど、何もない。いや、何かは在る。ただ、それが暗くて見えない。もそもそと地面を蠢く何かは、次第にこちらへよって来るようだ。 …怖い…  でも、逃げたくても、逃げる場所がない。四方八方からゆっくりと冷気が忍び寄る。 …………カチカチカチカチ。  寒い。寒い。寒い。寒い…  怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。
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