事件の始まり

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この技術により、警察もまた捜査力が飛躍的に上がった。が、その反面やはり犯罪に使われるケースも少なくはない。 ネットダイブは意識を電脳の海に沈めるものである。 つまりその意識もダイブしている間は電子情報化される。 なので、情報化された意識をハッキングしてしまえばその意識の身体を自由自在に動かせるようになる。 理論的にはそうはなっているが、できる者はそういなかった。 なぜなら防壁プログラムに意識を焼かれて数日意識が戻らなかったりする。 悪い時には意識が一生戻らなかったりする。 またハッキングに成功しても相手の意識データも自分に流れてしまう。 つまり、脳が二人分の感情と思考を処理しなくてはいけなくなり、パンクしてしまうのだ。 それにより、重度の知的障害が残ってしまう。 要するは人を乗っ取ることは事実的に不可能なのだ。 防壁プログラムは複雑にできており、解除は難しい。 その上防壁を解除しても多量のデータ処理をしなくていけないので無理なのだ。 無理な筈なのに犯人はそれを成功させたのだ。これに円香は背中にヒヤリとしたものを感じた。
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