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「…いってぇ。」
颯太が頭を擦りながらこっちに視線を向けた。
「…だって、颯太がバカな事言うから……。エッチ!!」
私はプイッと顔を反らした。
「……俺はいつでも愛を抱き締めたい、離したくない、愛が欲しいと思ってるよ。ダメなのかな?」
真面目に返ってきた返事に、私は思わず颯太の方へと再び顔を向けた。
「…おいで。」
颯太が優しく微笑む。
私は引き込まれる様に颯太の胸に抱き付いた。
大きな手で私の頭を優しく撫でてくれる。
「…ん……気持ちいい。」
あまりの心地よさに、このまま眠ってしまいそうだ。
優しい手、暖かな安心できる腕の中……。
それらを今、実感している私は何て幸せなんだろう……。
顔を上げると、颯太が優しくキスをしてきた。
暖かくなってきた春の昼下がり、私達は手をつないで映画を見に行った。
いつまでも、こんな幸せな毎日を颯太と一緒に過ごしたい。
願いを込めるかの様に、私は繋いだ手を、ギュッと握り締めた。
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