それぞれの道

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―月曜日。 朝からいい天気。 もうすぐ4月。 春の訪れと共に、私の気分も浮かれっぱなしだった。 春の強い風が吹く。 風は桜の花びらを乗せて、私の体をすり抜ける。 「…綺麗。お花見したいなぁ。」 私は鼻歌混じりで会社へと足早に向かった。 ロッカールームへ入ると、美里が制服に着替えていた。 「おはよっ!美里。」 「あっ!愛先輩おはようございます。」 美里が笑顔で寄ってくる。 「…どうしたの?満面の笑みで。何かあった?」 「ンフフッ。聞きたいですか?聞きたいですよねっ?」 「……何それ。絶対言いたいんじゃん。」 私は呆れながらも美里の話を聞く事にした。
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