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「…人事…異動?」
頭がくらくらした。
―…私、今の部署四年目だし、異動するかも……。
颯太は……大丈夫だよね?
私の勤務している会社は、男性職員は全国各地へ異動がある。
女性は家庭持ちの場合、自宅付近の異動。
未婚女性も自宅付近の異動が主だが、たまに地方へ異動する場合がある。
「まずは、富田。異動先は〇〇支社。次に、中林。異動先は○□支社。次は飯塚。異動先は□△支社。次は永井。異動先は、経理課。次は相田。異動先は総務部。次は沖田。異動先は同じく総務部。そして私、水津は営業部へ異動となった。以上で今回の異動は終わりだ。」
隆利の異動発表に、再び皆が騒つきだした。
私はホッと胸を撫で下ろした。
―…とりあえず、私と颯太は異動無かった……。
でも…加奈子が………。
私は不安げな顔で加奈子を見つめた。
それに気付いた加奈子は、私にニッコリと微笑み、手を振った。
「静かにっ!!」
隆利の大きな声に、それまで騒いでいたみんなが、一斉に静まりかえった。
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