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「…颯太っ……どこ行くのっ?!」
「…ちょっと、来て?」
哀しげな笑みを浮かべながら、颯太が私に言った。
「…………。」
私はそれ以上何も言えなかった。
言いたくても言葉が出ない………。
颯太は近くの給湯室の所まで私を引っ張って行った。
「………愛、海外留学の事なんだけど……。」
「……う…ん。」
私は思わず目を反らした。まともに颯太の目を見て話すことなんて出来ない…。
もしかしたら……もしかしたら、裕の時の様に、私達も別れなければいけないの……?
昔の記憶が鮮明に蘇る。
あの頃の様な、ツライ思いはもうしたくない……。
でも……颯太のせっかくのチャンスを喜んであげたい……。
颯太が行くって言ったら………私はどうすれば一番いいの……?
混乱するばかりで……何もワカラナイ………。
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