それぞれの道

15/37

19366人が本棚に入れています
本棚に追加
/445ページ
「…入社当初、海外留学の応募があって………俺、それに応募したんだ。」 「……そう…なんだ。」 自分の声が震えてるのが分かった。 「まさか…当選するなんて思わなかったし、こうやって愛と付き合うなんて、あの頃は思いもしなかった………。」 「…………。」 私は何も答えられなかった。 「…愛、俺はせっかくのチャンスだから行きたいと思う。色々勉強したいんだ。」 「………わかってる。」 「…愛。」 颯太がゆっくり近づいて来るのが分かった。 ―……何?今から別れ話でもするの…? 何年海外に居るか分からないなら……別れた方がいいって言うの……? 私は目をつぶって耳に手を宛て、首を横に振った。 「…今は聞きたくないっ!!………しばらく1人にして……。」 私は逃げるかの様に、その場を走り去った。
/445ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19366人が本棚に入れています
本棚に追加