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「…入社当初、海外留学の応募があって………俺、それに応募したんだ。」
「……そう…なんだ。」
自分の声が震えてるのが分かった。
「まさか…当選するなんて思わなかったし、こうやって愛と付き合うなんて、あの頃は思いもしなかった………。」
「…………。」
私は何も答えられなかった。
「…愛、俺はせっかくのチャンスだから行きたいと思う。色々勉強したいんだ。」
「………わかってる。」
「…愛。」
颯太がゆっくり近づいて来るのが分かった。
―……何?今から別れ話でもするの…?
何年海外に居るか分からないなら……別れた方がいいって言うの……?
私は目をつぶって耳に手を宛て、首を横に振った。
「…今は聞きたくないっ!!………しばらく1人にして……。」
私は逃げるかの様に、その場を走り去った。
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