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朝礼の時も、颯太の事ばかり考えてはため息をつく……。
はっきり言って、ここ1週間、ずっと上の空だ。
朝礼が終わり、皆が解散すると同時に、加奈子が後ろから呼び掛けてきた。
「……愛、あんた人事異動の日から颯太と話してないんだって?」
「……………。」
私は何も言えず、俯く。
「……颯太、私が朝来たとき、一番に話し掛けてきてさ、どうしたらいいのか悩んでた。」
私は唇を噛み締めた。
颯太が悪い訳じゃないのに……、私が悩ませて……どうするのよ……。
でもね、私……颯太と離れたくないんだよ………。
そう思ってるのは、自分だけ?
颯太にしたら、私はもう……ただのお荷物でしかないのかもしれない………。
「……とにかくさ、今日のお昼休みは一緒に話したいから、たまには2人でゆっくり話さない?」
加奈子が優しく微笑む。
私はゆっくりと頷いた。
「じゃあ、12時にねっ!」
そう言って、加奈子は仕事に戻っていった。
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