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2人で居られる時間は後少ししかない……。
私は居てもたっても居られず、思わず立ち上がった。
「…愛、落ち着いて!取り敢えず2人で話し合う事!分かった?」
「………うん。」
私は再びゆっくりと座った。
「…朝ね、颯太から頼まれたの。金曜日の夜まで、颯太は忙しくて時間が作れないみたい。そして、土曜日に飛行機で飛び立つらしい……。だから…2人で話せるチャンスは、あと金曜日の夜だけなの……。」
「……金曜日…だけ?」
「…うん。それで颯太から預かった物があるの。これ……。」
そう言って加奈子が差し出してきたのは、いつか颯太と2人で行った遊園地の入場券だった。
2人で初めてデートしたあの遊園地だ……。
私は黙ってそれを受け取った。
「……金曜日の18時に、遊園地の入り口で颯太が待ってるって。」
私は黙って頷いた。
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