それぞれの道

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遊園地に着くと、辺りは薄暗くなってきていた。 桜の花弁が散り、辺り一面桜の絨毯で春の訪れを感じさせる。 「……お花見、一緒にしたかったなぁ。」 私は桜の木を見上げポツリ呟いた。 颯太と出会ったのも春だった。 お別れするのも春だなんてね………。 私は風に散る花弁を手の平に乗せ、静かに眺めた。 遠くから聞き慣れたバイクの音が聞こえる。 「………颯太。」 私は花弁からそっと視線を外し、バイクの音が聞こえる方へと視線を向けた。 そこには遠くから近づいてくる愛しい人の姿があった。 「……颯太。」 こうやって貴方の姿を見る事は、もうないのかな? 涙が溢れそうになった。 私は慌てて溢れ出そうな涙をこらえた。 だって……笑顔でサヨナラ、行ってらっしゃい…って言うと決めたんだから………。
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