それぞれの道

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観覧車に乗り込み、私は息を整える。 フッと颯太を見つめると、颯太は物悲しそうな表情で窓の外を見ていた。 その横顔があまりにも綺麗で、艶っぽくて、私は思わず息を飲んで魅入ってしまった。 それに気付いた颯太が、私に優しく微笑んだ。 「愛……オレ、明日発つよ。」 「……………う…ん。」 私はそれ以上何も言えず、窓の外の夜景に目を向けた。 「…愛、こっち向いて?」 向かいに座っていた颯太が、私の隣に座りながらそう言ってきた。 私は戸惑いながらも颯太の方を見つめた。 「…ごめんな、愛。」 「……謝らないで。」 「………愛を連れていきたいよ。でも、今の俺にはそんな自信ない。」 分かってる……分かってるよ、颯太……。 でも、やっぱり辛いよ。 我慢していた涙が一気に溢れだした。
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