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観覧車を降りた私達は、寄り添うように歩いた。
残り僅かな時間を惜しむように、何度も見つめてはキスをした。
やがて遊園地の閉園時間は近づき、私達はバイク置き場まで手をつないで歩いた。
「……送ってくよ。」
「…うん。」
明日になれば颯太は居なくなってしまう………。
明日が来なければいいのに………。
何度そう思っただろう。
でも、明日は必ず来るんだ。どう足掻いたって仕方の無い事。
明日が来るなら未来も来る……なら明るい未来を根気よく待ってやるっ……!
私はバイクに跨り、颯太にギュッとしがみ付いた。
……颯太、私はもう泣かないよ。
貴方を信じて待つ事を決めたから。
貴方と気持ちは一緒だと分かったから……。
だから、気を付けて行ってらっしゃい………。
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