死神の花嫁2.5~キスキスキ?~

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思わず知らず、拳を握り締めて。 マリィを傷つける奴は、赦さん!! 俺の決意とは裏腹に、彼女はブンブン頭を振って。 「まさか。いろいろ心配して、お話ししてくれたの」 「…なら、いいが」 基本的に、誰にでも可愛がられているマリィだから、今まで仲良くしていた奴がいきなり…ってこともないとは思っているけれど。 「でね…その、ね、ガザくん」 何だか非常に思い詰めたような表情に変わると。 「わたし、女としての魅力、無い、かな…?」 は? そして、フラッシュバックするのは、そそくさと消えた彼ら。 「…先輩達に何を言われた」 「あ、あのね、ほら、わたしと啓さんが、その、お付き合いして結構経つでしょ。それで、先輩達が心配してくれて。その…き、キス…したか、って聞かれて、ね」 キス、だぁ? 怒鳴りたくなる感情を、必死で抑える。怒鳴る相手はマリィじゃない。わずかな理性をフル動員して笑顔を浮かべ。 「…キス、したのか…」 マリィは顔を朱に染めると「まさか!」 だよな。そんなことをしたら、どうなるか、啓自身がよくわかっているはずだ。 安堵した俺の神経は、次の言葉で再び嵐へ。 「でも、普通、わたし達くらいのお付き合いになると、してもおかしくないって言われて…啓さんにとって、わたし、魅力、ないの、かな?」 彼女の握り締められた手がフルフルと震えていることに気づいた。伏せた目が、赤く染まっていることにも気づいた。 「やっぱり、わたしが『死神』だから、断りたくても断れないの、かな」 こんな弱音を吐くマリィは、俺にしか見せない姿。 一生、啓なんかに見せるんじゃねぇ。 切なくて、右腕でマリィを抱き寄せた。 「お前は魅力的だ。どんな女より、魅力的だ。マリィ、俺は、この世の誰よりもお前が好きだ」 どうしようもなく切なくて、俺は伝えるしかなかった。
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