桜の戦い

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「あれはなんだろう?」 校門をくぐり抜けた途端に校舎の方角から土埃が舞っているのが視界に入った。 桜の花びらと土埃が混ざったそれは竜巻を作りながら僕の方向に向かってくる。 竜巻の発生源を目を細めてみると、桜花高校の制服と思われる服を着た2人の女子生徒がなんか戦っていた。 周りの生徒もざわざわとしていた。 それはそうだろう。 校門をくぐり抜けた先に校舎から桜土埃の竜巻が発生していたら騒ぎにならない方がおかしいよね。 でも、僕と同じ1年は驚くのは解るとして上級生の2、3年生はなんで驚いていないのかな? それが少し気になるんだけど。 そんなことを考えていたら「あの2人またやってるよ」とか「危ないからやめて欲しいよな」とか「葵様と傘様の凛々しいお姿ステキです」とか嫌悪感を露わにしている(一部アレな女生徒の声も聞こえたが)声が耳に届いた。 えーと、この言葉を総合するといつもあんなことが起こるから気にしてないみたいなんだね。 「なるほど」 腕を組んで納得した……って納得するわけないでしょうが!! ほら、1年があまりのすさまじい戦いにドン引きしているよ。 アレを見てびっくりしない人間がいるわけがない。 僕はまあびっくりしているよ。 びっくりはびっくりしてるんだけど、僕のびっくりしているのは他の1年比じゃないと思う(何回びっくりと言うんだろうね?)。 ああいうことをする人間を知っているからだ。 思わず舌打ちしてしまった。 なんてことだ。 ああいう人たちに関わり合いになりたくないから、普通の学園生活が過ごせるかと思って桜花高校を選んだのにコレじゃ無意味になるじゃん。
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