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あの2人がいる場所は僕の頭上なわけでこのまま落下したら確実に巻き込まれるよね。
2人の体重は遠目で見ても重くはなさそうだけど、2人の体重+落下スピード+回転を追加して計算するとクッションになる僕へのダメージを半端じゃないなぁ……多分。
「って! 冷静に分析してる場合じゃなかった! 早く逃げないと」
逃げよう思ったが動けなかった。
2人のイキイキとした表情が目に入ったからだ。
2人ともスゴく楽しそうだ。
「甘いですわね」
縦巻きっ娘は僕にぶつかる1メートルの目の前で、肩が外れたように見えた。
「!?」
ポニーテール娘は肩の関節を外した縦巻き娘に目を大きく見開き驚愕な表情をしていた。
「ふふ、これでおわりです!」
「くっ」
縦巻き娘は肩を外したまま空いている反対の手のひらを握りしめてポニーテール娘にパンチを繰り出した。
ポニーテール娘は咄嗟に右手ではじいた。
僕の目の前に降りたった2人は地面に足を着けると後ろに跳んで距離を置く。
二人が離れることで舞い散った桜の花びらが雪のようにひらひらとあたりに降り落ちる。
「痛っっっ、いたいわね! 痕が残ったらどうするつもりよっ」
「ふん、あなたのような野蛮人がこの程度のダメージで痕が残るのかしら?」
と、同時に両者はにらみ合い悪態をついた。
外した肩を戻しながら毒舌を吐く縦巻き娘の言葉にポニーテール娘は、右腕をさすりながら顔を苦痛に歪める。
「野蛮人はどっちよ! あんたから攻撃してきたくせに」
「当たり前です。わたくしはあなたの行動を止める義務がありますわ。副部長であるわたくしにはね」
「うっ、そうかもしれないけど」
誇らしげに胸を張る縦巻き娘にポニーテール娘は狼狽えた。
「……そもそも副部長のあんたが何で止めるのよ。 わたしは新入生を勧誘しにいっただけなのに」
縦巻き娘はやれやれと首を振りはぁとため息を吐て、
「やり方というものがあると昨日何度も言っていたハズですが?」
と腰を両手に当てて言う。
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