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さびれたマンションの一室。
俺は唯の待つ自分の部屋へと足速に帰った。
「ただいま、唯」
俺は笑顔で唯に言った。
「おかえりなさい…ませ」
唯は俺を見ない。
肩が震えていた。
「今日もいい子にしてたか?」
俺の言葉に震えながら静かに頷く。
「よし、じゃあ首輪と手錠を外してやろう」
ポケットから鍵を取り出し、慣れた手つきで鍵を外した。
「ありがと…ございます…」
唯の首と手首には赤い跡。
外そうともがいたのだろう。
でも最近では諦めたのか、跡は薄くなりつつあるのだが。
「お腹空いたなぁ。何か作ってよ」
俺はゴロンと寝転んだ。
俺の言うことに何でも従う唯。
可愛い
玄関には何重にも鍵をかけ、部屋には首輪と手錠で繋がれている彼女。窓はいつもカーテンを閉め、俺と唯だけの2人きりの空間を作り上げていた。
こんな異常な生活は1ヶ月前から始まった。
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