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百合の突然の告白に呆然とする俺。そんな俺を百合は悲しげに見つめた。
「直行、ごめんね……。直行を悲しませたくないからって、わざと直行に嫌われようとしてた。近くにいたいのに距離もおいてた。でも、そんなの直行のためになるはずもなかった。結局、私の身勝手な行動だったんだね……」
手を握りしめ、涙をこらえながら話す百合。整理がつかず、呆然とする俺。
百合が話し終わると、2人の間に沈黙が流れた。
冬の綺麗な夜空。そこに流れ星が光った。一筋の光。
この星に願いをこめれば叶うのだろうか。そんなことを思ったが、百合の頬に光ったものを見たら、そんなのはあり得ないことだと気づいた。
同じ一筋の光。でも、俺の願いを打ち砕く光。
「バイバイ……直行」
百合はそう言い残すと、去っていってしまった……。
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