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「…どうしたの?」
くすりとティリアが笑った。
「さっきの構え。
出さないの?」
「…あんたに出すほどじゃないわ」
あくまで余裕しゃくしゃくで、上から見下してくるティリア。
負けたくない。
なら…できる事をしなきゃね。
といきなり、シエルが拳を突き出した。
ティリアが眉を寄せる。
「グーよ。
私は最初、グーを出すわ」
ざわっ…!
「おぉーっと!
これは…『心理戦』だぁ~~~!!」
シエルに心理戦に持ち込まれたティリアが、ぎりっと唇を噛んだ。
「卑怯な…!!」
「卑怯?何が?
私はわざわざ出す手を教えてあげただけよ。
…でもまぁ」
シエルが満面の笑みで告げる。
「信じる信じないは、そっちの自由だけどね」
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