ギルド最強王決定戦!

63/78
前へ
/526ページ
次へ
ゼクシィがしょんぼりしたまま階段を下りて来た。 声をかけようとしたアーヴァントより早く、シエルが鼻で笑う。 「あれー? あれだけ豪語してたのに、結局一人だけ~?」 シエルの野次に、一瞬にしてゼクシィの顔が赤くなる。 「な…っ!? わ、私はシエルに残しておいてあげただけですわ!! やはりこういうのは、本部のギルドマスターに決めてもらわないと支部としては困りますもの!」 「あーやだやだ。 負け惜しみ?」 「違うと言っているでしょう!?」 そのまま、ぎゃあぎゃあとケンカを始める二人。 アーヴァントが安心したように軽く息を吐いた。 「…どうやら、俺の出番はないみたいだね」 ケンカしているように見えるが、シエルのあの態度はゼクシィを元気づけるための物。 現にゼクシィは、すっかり元気を取り戻している。 シエルも不器用な奴だな。  
/526ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2182人が本棚に入れています
本棚に追加