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ゼクシィがしょんぼりしたまま階段を下りて来た。
声をかけようとしたアーヴァントより早く、シエルが鼻で笑う。
「あれー?
あれだけ豪語してたのに、結局一人だけ~?」
シエルの野次に、一瞬にしてゼクシィの顔が赤くなる。
「な…っ!?
わ、私はシエルに残しておいてあげただけですわ!!
やはりこういうのは、本部のギルドマスターに決めてもらわないと支部としては困りますもの!」
「あーやだやだ。
負け惜しみ?」
「違うと言っているでしょう!?」
そのまま、ぎゃあぎゃあとケンカを始める二人。
アーヴァントが安心したように軽く息を吐いた。
「…どうやら、俺の出番はないみたいだね」
ケンカしているように見えるが、シエルのあの態度はゼクシィを元気づけるための物。
現にゼクシィは、すっかり元気を取り戻している。
シエルも不器用な奴だな。
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