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「わかっていますのシエル!
あなたが負ければ、それで終わりですのよ!」
「ようは負けなきゃいいんでしょ?
楽勝よ!」
だから、とシエルがゼクシィの肩に手を置いた。
突然の事にゼクシィが瞳を丸める。
「あんたの仇も討ってあげるから、後ろから見てて」
「…シエル…」
一度も振り向きもせず、そのまま会場へと向かうシエル。
ゼクシィは胸の前でぎゅっと手を握り、シエルを見送った。
「ついに大将のお出まし…ってか?」
向かいに立つシエルを見てトゼが笑う。
一方のシエルは、厳しい目でトゼを睨みつけていた。
「悪いけど、私はこんな所で立ち止まってられないの。
大人しく仇を取られて退場しなさい」
「おお怖。
ウチの姫様に負けず劣らずの眼力だ」
ニヤリ、とトゼが笑う。
「…それじゃ、さっさと勝負しますか」
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