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いきなりの掛け声と共に勝負が決まった。
しん、と静まり返る会場。
勝ったのは――シエル。
会場が沸き上がった瞬間、がくりとトゼが膝をついた。
「負けた…
『戦鬼・魔龍創の構え』ができるなんて、あんた何者だよ…」
「私?
私はなーんの変哲もない、ただの美少女ギルドマスターよ」
美少女をつけるな美少女を。
シエルの意味不明なセリフを聞いたトゼが諦めたように笑った。
「…まぁいいや。
あんたと戦えたってだけで俺は光栄だよ。
それにあんたとは…
ウチの姫様が決着をつけたがってたからな」
「ふん、望む所よ」
トゼが立ち上がり、背中を向けたまま手を軽く振った。
その向こう、入れ代わるようにして舞台に上がって来た少女――
ギルド『流星』の気高き姫、ティリア。
ついに『SBS-O』と『流星』の大将が、決勝の舞台で相まみえた。
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