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シエルを睨みつけるティリア。
シエルもまた、動じることなくティリアを真っ正面から見返す。
二人の間に緊迫した空気が流れた。
「…どう?
まだ無名のギルドに頂上の座を脅かされる気分は」
「最悪だわ」
シエルの挑発に、ティリアがきっぱりと答える。
「うっとうしくてしょうがないわ。
努力もせず、経験も実績もない。
あなた達みたいに運だけで勝ち上がってきたギルドと、決勝を戦わなければならないなんて」
「残念ね、決勝は『運』で勝負なの。
ま、私達の場合運だけじゃないんだけど」
「潰してあげる。
二度とそんな口叩けないように、全力で」
「やってみなさいよ。
あんた達を引きずり落としてあげるわ」
バチバチバチ、と見えないはずの視線が激しくぶつかり合った。
これは…なんだか荒れそうな予感だな。
できれば何事もなく、無事に終わってほしいものだが…
(…まぁ、無理だろうな)
シエルだし。
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