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初めは小さな事だった気がする。
パチンコで負けたから、ご飯おごって、とか。
そのうちヒロは生活費だったり、飲み代だったりを借りたがるようになった。
1万円…また1万円。
そのうち、大きい額を言ってくるようになった。
「20万?何に使うの?」
「会社が倒産した時に借金があって、返さないとまずいんだ。」
あたしはヒロにお金を貸した。
そのうちあたしの貯金が尽きると、ヒロはあたしにカードローンでお金を借りてくれと言った。
はたから見れば、馬鹿な女だったかもしれない。
「やめなよ七海!あんた騙されてるよ!」
由樹はあたしを止めた。
本気であたしを心配してくれてた。
「そんな事ないよ、今は彼もツライ時なの。由樹にはわからないよ!!」
(シンジタイノ…)
「バカ!!もう知らない!!」
(カレヲシンジタイ…)
呆れて席を立つ由樹を、
あたしは追いかけなかった。
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