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私は桐陰樹里(どういんじゅり)。先ほどの香織(かおり)は桐陰家メイド長。
桐陰家はアメリカに拠点を置く財閥で、アメリカだけではなく、日本でもホテル業を始め実に様々な分野でその勢力を広げているらしい。
父の名は利宇(りう)。若い頃に経営学の博士課程を修了したらしく、現桐陰財閥元帥でもある。
「遅れてごめんなさい、父さん」
「来たか。取りあえず座りなさい。香織」
いつもと違う父の感じに疑問を抱きながらも大人しくソファーに腰掛ける。
そんな私にスッと差し出されたのは紙の束。
意味が分からず、父を見た。
(まさか……)
「ああ、樹里、桐陰学園に通いなさい。それは資料だよ。
樹里にはプリンセスになってもらうから、資料は明日までによく読んでおきなさい。
そうそう……入学式は来週で明日は入寮準備だから早く寝ることだ。
詳しくは香織にでも聞いて」
言いたいことだけ言って去っていった父にどこから突っ込みましょうか。
まず、にゅうりょうじゅんびってナンデスカ
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