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老人に案内された部屋には車椅子に乗った、別の老人が外を眺めていた。
『お連れ致しました。』
案内をしてくれた老人が車椅子の老人に声をかけた。
車椅子の老人が「ありがとう」と一言言うと綺美にゆっくりと語り掛けてきた。
「君もこの闇の世界へ迷い込んできてしまったのだね。まぁ、ゆっくりしていきなさい。」
寂しく微笑む車椅子の老人。
どこか、胸が締め付けられる思いがした。
綺美「有難うございます。ところで…闇の世界って何ですか?それに、ここにはもう朝が来ないって…どうゆう事なのですか?」
綺美はさっきまで気になっていた事を問い掛けた。
車椅子の老人は少し考えたのち、綺美に優しく…
「君には話しておくべきなのかもしれない…。すまないが、私は少し疲れてしまった…。なのでそこに居る、執事のコルネットに話を聞いて頂けないかな。」
そう言うと車椅子の老人はまた窓の外を眺め始めた。
綺美はコルネットと呼ばれる老人を見上げた。
コルネット「承知致しました。旦那さま。では、こちらのお部屋へ。」
そう話すとコルネットは別の部屋へと案内しようとした時、車椅子の老人に呼び止められた。
車椅子の老人はこちらに向き直り
「お嬢さん、お名前は?」
綺美「あ…。綺美と…藤崎綺美と言います。」
老人「綺美さん…君ならきっと抜け出せるはずですよ………We must bring the truth to light.」
老人は突然、意味深長な言葉を放ち、また窓の外を眺めた。
綺美「???」
コルネット「では、綺美様どうぞこちらへ。」
綺美「はい…。(We must bring the truth to light.……真実を明らかにする必要がある?ってどうゆう事?)」
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