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「何故……時雨がここにいる」
時雨と呼ばれた男は少女の睨みを無視して、懐から煙草を取り出して火を点ける。そして、煙草の煙りを吹して呆れたように言う。
「何故、って? そりゃあ、お仕事だからに決まってんだろ」
そう言って、時雨は腕時計で時間を確認した。
「もうすぐで勤務時間が終わるな。俺は時間外労働はごめんだからサクッと終わらせるとするか」
時雨は鉄根を構える。
瞬間、時雨から殺気を感じた少女は手摺を乗り越え、迷わずビルから飛び降りた。
そして、間一髪のところで時雨の鉄根を避ける事ができ、代わりに手摺が吹き飛んだ。
少女の身体はビルから落ち、ごみ捨て場に落下した。
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