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――季節は、矢の如く過ぎ去ってゆく。
勝者の誉れも、敗者の涙も……
巻き込みながら留まる事なく。
それは――どんな勇者にも、英雄にも、等しく訪れる、無情の理(コトワリ)。
ただ……
幾年が流れ、
抱きしめる選手が変わり、
翠(ミドリ)の蔦が消え、
映る外観が変わっても――
甲子園は不変の荘厳さ、雄大な姿を湛え続けるだろう。
野球を愛する人間が、この世から消えて失くならない限り。
足を運んでください。
美しい、甲子園へ。
数多の苦難を乗り越え、成長した彼らに逢いに。
碧い季節に輝く、
流風の笑顔に逢いに――……
― 完 ―
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