プロローグ

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今から7年前…     僕たちはとある病院の喫煙所で出会った。 お互いに入院患者同士、なかなかあるもんじゃない。 入院二ヵ月… 毎日のように喫煙所で会話をしてときどき病院を抜け出し遊びにも行った。   そのとき彼女はよく僕に話していた…     『私死ぬんだ。』     病気ではない。 自分は自殺するんだと話をしてくれた。   僕は信用していなかった。まさか本当に死ぬわけがない。   彼女の退院前夜…     彼女は睡眠薬を多量に飲んだ。   ほとんど意識のない状態で夜の喫煙所に現れた。   まだ僕は気付いていない。   何かおかしい?   必死に問い掛けるも呂律(ろれつ)が回っていない。     直感した。     すぐに骨折しギブスをした足のことも忘れ彼女をおぶって病院中を叫んで走った。 今思うとおぶる必要も叫ぶ必要もなく普通に先生を呼べばよかったが… そのおかげで僕の入院はかなり延びた…     話は戻る。   彼女は結局飲んだ量も少なく死ぬ心配はなかった。   しかし病院もそんな問題児を置くわけもなくそれから5日後強制退院させられた。   これからどうする?   彼女は田舎に連れ戻されることに。   僕はどうする?       退院後すぐに僕は軽自動車に全ての荷物と役所でもらった転出届け、全財産を持って彼女の後を追って家を出た……………
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